かんむり座Tにおける赤色巨星と白色矮星の関係
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かんむり座Tにおける赤色巨星と白色矮星の関係 (nakanek, 2024/6/11 20:30)
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Re: かんむり座Tにおける赤色巨星と白色矮星の関係 (k_kubotera, 2024/6/11 22:42)
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Re: かんむり座Tにおける赤色巨星と白色矮星の関係 (nakanek, 2024/6/12 6:48)
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Re: かんむり座Tにおける赤色巨星と白色矮星の関係 (k_kubotera, 2024/6/12 7:24)
nakanek
投稿数: 3597

アストロアーツの下記記事を見ていての素朴な疑問。
赤色巨星の好転周期が227日だとすると、新星爆発を起こしたときにちょうど地球と白色矮星の間に赤色巨星がいたらどうなるんでしょうか?
爆発が近いと予想される再帰新星、かんむり座Tの近況
nakanek
赤色巨星の好転周期が227日だとすると、新星爆発を起こしたときにちょうど地球と白色矮星の間に赤色巨星がいたらどうなるんでしょうか?
爆発が近いと予想される再帰新星、かんむり座Tの近況
nakanek
k_kubotera
投稿数: 4627

高橋進さんの記事ですね。高橋さんは、ダイニック天究館の館長さんだった人です。現役の眼視観測者で、変光星のMLにもミラ型はじめ変光星の話題を提供してくださっています。
『素朴な疑問』ですが、残念ながら白色矮星と赤色超巨星と地球との位置関係ですが直線とはなりません。つまり食は起こしません。そういう位置関係ならすごくおもしろいですよね。実際白色矮星と伴星の距離が近く公転周期が著しく短く食を起こす星もあります。そういう星の観測はすごくワクワクで1分単位の食を起こします。
T CrBの話に戻しますが、じゃなぜ227日の周期で変光するの?ですが、赤色巨星の楕円効果というやつです。白色矮星の重力に引かれ、赤色巨星は卵みたいな形になっているようです。その形のまま白色矮星のまわりを回っています。私たちはそれを斜め上(下)から見ています。それで、見かけ上 楕円体の赤色巨星を横から見たり、ほぼ正面から見るため、明るさが変化します。
ただ、その変光範囲が微妙に変化します。はじめ、二星の歳差運動かなと思っていたのですが、楕円体効果で変光する食連星はたくさんありますが、そんな話聞いたことありません。夏の変光星観測者会議でも話題になるようです。専門家も参加するようなので、そのあたりどう考えているのか話が聞けそうです。T CrBはしだいに赤くなってきているので、赤色巨星の膨張などにも関係しているのでしょうか。
T CrBの増光は、赤色巨星から提供された白色矮星の降着円盤が重さを増し摩擦で速度が落ちることで重力と遠心力のバランスが崩れ、白色矮星の表面に一気に落下しそのエネルギーで白色矮星上で熱核暴走が起きて増光するようです。T CrBは、たまたま近くて明るいので話題になっていますが、この手の星や近い仲間は、結構多くて、よく観測アラートに発表されます。
白色矮星が表面に落ちた物質を周囲にまき散らしながら増光しますが、その一部は白色矮星に残っていきます。赤色巨星からのガスの提供がつきてしまえば、それでいいのですが、増光を数繰り返しながら白色矮星の質量が大きくなり、1.44太陽質量になった時、白色矮星は密になった電子の縮退圧に耐えきれずに崩壊を起こしIa型超新星になります。それはそれで、すごい観測になります。
『素朴な疑問』ですが、残念ながら白色矮星と赤色超巨星と地球との位置関係ですが直線とはなりません。つまり食は起こしません。そういう位置関係ならすごくおもしろいですよね。実際白色矮星と伴星の距離が近く公転周期が著しく短く食を起こす星もあります。そういう星の観測はすごくワクワクで1分単位の食を起こします。
T CrBの話に戻しますが、じゃなぜ227日の周期で変光するの?ですが、赤色巨星の楕円効果というやつです。白色矮星の重力に引かれ、赤色巨星は卵みたいな形になっているようです。その形のまま白色矮星のまわりを回っています。私たちはそれを斜め上(下)から見ています。それで、見かけ上 楕円体の赤色巨星を横から見たり、ほぼ正面から見るため、明るさが変化します。
ただ、その変光範囲が微妙に変化します。はじめ、二星の歳差運動かなと思っていたのですが、楕円体効果で変光する食連星はたくさんありますが、そんな話聞いたことありません。夏の変光星観測者会議でも話題になるようです。専門家も参加するようなので、そのあたりどう考えているのか話が聞けそうです。T CrBはしだいに赤くなってきているので、赤色巨星の膨張などにも関係しているのでしょうか。
T CrBの増光は、赤色巨星から提供された白色矮星の降着円盤が重さを増し摩擦で速度が落ちることで重力と遠心力のバランスが崩れ、白色矮星の表面に一気に落下しそのエネルギーで白色矮星上で熱核暴走が起きて増光するようです。T CrBは、たまたま近くて明るいので話題になっていますが、この手の星や近い仲間は、結構多くて、よく観測アラートに発表されます。
白色矮星が表面に落ちた物質を周囲にまき散らしながら増光しますが、その一部は白色矮星に残っていきます。赤色巨星からのガスの提供がつきてしまえば、それでいいのですが、増光を数繰り返しながら白色矮星の質量が大きくなり、1.44太陽質量になった時、白色矮星は密になった電子の縮退圧に耐えきれずに崩壊を起こしIa型超新星になります。それはそれで、すごい観測になります。
nakanek
投稿数: 3597

ちょうどイメージ図の状態で見ているということですね。
理解しました。
nakanek
理解しました。
nakanek
k_kubotera
投稿数: 4627

T CrBは、昔どんな姿をしていたのかな なんて想像したりします。
白色矮星がまだ、赤色巨星や主系列の星だった頃です。2つの星は連星系をなして仲良くまわりあっていたと思います。ただ、片側の星の質量がやや大きく先に進化して、周囲に物質を放出しながら白色矮星になっていったのでしょう。その頃の連星系の質量は今よりずっと大きくて、二星は接触かそれに近い状態で速い速度でまわりあっていたのかもしれません。
それから将来のT CrBのことも想像したいです。伴星からの物質の供給が続きやがて超新星になる可能性があるのか、物質の供給は止まり2つの白色矮星の連星系になるのか。
そのあたりを詳しく想像する知識が私にはありません。今度の観測会議で質問してみようかと思います。
白色矮星がまだ、赤色巨星や主系列の星だった頃です。2つの星は連星系をなして仲良くまわりあっていたと思います。ただ、片側の星の質量がやや大きく先に進化して、周囲に物質を放出しながら白色矮星になっていったのでしょう。その頃の連星系の質量は今よりずっと大きくて、二星は接触かそれに近い状態で速い速度でまわりあっていたのかもしれません。
それから将来のT CrBのことも想像したいです。伴星からの物質の供給が続きやがて超新星になる可能性があるのか、物質の供給は止まり2つの白色矮星の連星系になるのか。
そのあたりを詳しく想像する知識が私にはありません。今度の観測会議で質問してみようかと思います。