Re: かんむり座Tにおける赤色巨星と白色矮星の関係

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k_kubotera

なし Re: かんむり座Tにおける赤色巨星と白色矮星の関係

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿なし | 投稿日時 2024/6/11 22:42 | 最終変更
k_kubotera  長老   投稿数: 4636
 高橋進さんの記事ですね。高橋さんは、ダイニック天究館の館長さんだった人です。現役の眼視観測者で、変光星のMLにもミラ型はじめ変光星の話題を提供してくださっています。

 『素朴な疑問』ですが、残念ながら白色矮星と赤色超巨星と地球との位置関係ですが直線とはなりません。つまり食は起こしません。そういう位置関係ならすごくおもしろいですよね。実際白色矮星と伴星の距離が近く公転周期が著しく短く食を起こす星もあります。そういう星の観測はすごくワクワクで1分単位の食を起こします。

 T CrBの話に戻しますが、じゃなぜ227日の周期で変光するの?ですが、赤色巨星の楕円効果というやつです。白色矮星の重力に引かれ、赤色巨星は卵みたいな形になっているようです。その形のまま白色矮星のまわりを回っています。私たちはそれを斜め上(下)から見ています。それで、見かけ上 楕円体の赤色巨星を横から見たり、ほぼ正面から見るため、明るさが変化します。
 ただ、その変光範囲が微妙に変化します。はじめ、二星の歳差運動かなと思っていたのですが、楕円体効果で変光する食連星はたくさんありますが、そんな話聞いたことありません。夏の変光星観測者会議でも話題になるようです。専門家も参加するようなので、そのあたりどう考えているのか話が聞けそうです。T CrBはしだいに赤くなってきているので、赤色巨星の膨張などにも関係しているのでしょうか。

 T CrBの増光は、赤色巨星から提供された白色矮星の降着円盤が重さを増し摩擦で速度が落ちることで重力と遠心力のバランスが崩れ、白色矮星の表面に一気に落下しそのエネルギーで白色矮星上で熱核暴走が起きて増光するようです。T CrBは、たまたま近くて明るいので話題になっていますが、この手の星や近い仲間は、結構多くて、よく観測アラートに発表されます。

 白色矮星が表面に落ちた物質を周囲にまき散らしながら増光しますが、その一部は白色矮星に残っていきます。赤色巨星からのガスの提供がつきてしまえば、それでいいのですが、増光を数繰り返しながら白色矮星の質量が大きくなり、1.44太陽質量になった時、白色矮星は密になった電子の縮退圧に耐えきれずに崩壊を起こしIa型超新星になります。それはそれで、すごい観測になります。

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