冷却 CMOS CCD カメラ
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冷却 CMOS CCD カメラ (k_kubotera, 2022/1/17 7:42)
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Re: 冷却 CMOS CCD カメラ (m_akashi, 2022/1/18 12:30)
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Re: 冷却 CMOS CCD カメラ (k_kubotera, 2022/1/19 7:31)
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Re: 冷却 CMOS CCD カメラ (yomaiboshi, 2022/1/21 16:08)
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Re: 冷却 CMOS CCD カメラ (m_akashi, 2022/1/23 9:33)
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Re: 冷却 CMOS CCD カメラ (nakanek, 2022/1/21 19:19)
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Re: 冷却 CMOS CCD カメラ (yomaiboshi, 2022/1/22 22:50)
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Re: 冷却 CMOS CCD カメラ (nakanek, 2022/1/23 10:24)
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Re: 冷却 CMOS CCD カメラ (yomaiboshi, 2022/1/24 23:29)
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Re: 冷却 CMOS CCD カメラ (m_akashi, 2022/1/25 22:01)
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Re: 冷却 CMOS CCD カメラ (yomaiboshi, 2022/1/30 17:43)
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k_kubotera
投稿数: 4627

『未知変光星』のトピックの内容からずれそうなので、こちらに立て直しました。
私は詳しいことを知らないで冷却CCDを使っていますから、的はずれかもしれません。
変光星でも何でも同じと思いますが、どんな観測をするのかで機材を選びますから、今回は、購入するに機材でできる観測はどんな感じかなという方向でしょうか。
激変星の増光をいち早く捕らえるのであれば、一眼デジカメと画像をチェックする強力なソフトがあれば(赤道儀などの精度や自動化も必要とおもいますが)できるようです。
測光となると、いろいろと条件があります。
まず、カラーのカメラ、撮像素子の3つのピクセルが1つの組になってそれぞれにR,G,Bのフィルターがかかって撮像するので、フィルターの特性が、そもそも測光用と違いますから、厳密には国際的な標準のデータを使っての比較測光ができません。一眼デジカメなどから取り出したG画像から国際標準のV等級のデータを使って測光した値には、cGという記号をつけて区別することになっています。それでも、光度曲線を見る限りV等級のデータと大きく変わらないようです。
とはいうものの、撮像素子の分光特性も素子によって多少違いがあるので、それほど厳密なものではないようです。観測する星の明るさの振る舞いがわかればいいので、むしろ、撮影時や測光時の測定誤差をいかに少なくするかが大切みたいです。
カラーのカメラは3つのピクセルを1つの画素にするので解像度が落ちると天体写真の世界では言われるようですが、最近は画素数も多くなっているので、観測的には、問題ないと私は思います。むしろ、画像が重くなって転送や測光処理にそれなりのマシンスペックが必要になると思います。C-MOSは、CCDに比べて転送速度も転送時のノイズも小さいかもしれません。
ダイナミックレンジというか、銀塩フィルムでいうところのラチチュードが大きくないと測光の精度に関わります。一眼デジカメや冷却CMOSカメラは、どのくらいなんでしょうか。おそらく14ビットかもしれません。私の冷却CCDは古いですが、16ビットあります。たかだか2ビットの差ですが、4倍、測光では影響が出てくると思います。
ピクセルの大きさはため込む電荷の量や入ってくる光の量に関わるので、大きい方が感度いいし、飽和もしづらく階調も広くとれるでしょうか。解像度はやや落ちるのでしょうか、天体写真的なことはよくわかっていません。
ブルーミング(飽和)の問題、冷却カメラの仕様書には最近書かれていないことが多いです。撮像素子の最も大きな特徴は、直線的に電荷と光量の関係があることだと思います。強い光が当たれば、当然あふれ出しますが、本来はその状態を飽和と呼んでいましたが、今は、直線性を崩して、あふれ出ることを止めています。天体写真ではきれいに写っていいのですが、電荷を捨てる作業(画素にゲートを作って光を入れないようにしているのかな)をしています。直線性を崩すというのは、測光には致命的です。SOHOの画像で太陽のバックにある明るい星が飽和して横に電荷が流れ出ていたり、すばる望遠鏡の画像もそんなものがあったりします。あれはあれで、写っているものすべてが直線的に光量と比例している証拠です。
そんなこと言っていたら、NABG(ノンアンチブルーミング)以外のほとんどの素子が測光には不向きになってしまいます。そういう私の冷却CCDもブルーミング(飽和)を押さえる働きをします。
じゃあ、どうするかというと、電荷を捨て始める手前までを使っています。具体的には、機材にあった明るさの星を観測するとか、明るい星を観測する時は、ピントをぼかして1つの画素に入る光を分散させるとか、露光時間を調節するとか飽和させないような工夫をします。実際には勘と経験です。
でもそんなことして、いい加減なデータを報告すると叱られるので、測光の時に以下のようなことをしてどの程度の精度で測光できているのか調べておきます。

図は、測光で使うソフトの画面のひとつですが、左上のグラフ、画像に写っている星のほぼすべてがプロットされています。横軸は星の明るさ、縦軸は、測光値の標準偏差です。標準偏差が小さいところで測光している限り問題はありません。右側は暗い星で標準偏差は大きいですが、どの星も同じように標準編が大きいので、つまりばらつきは大きいけれど、平均値をとるとそれなりの光度曲線ができます。ところが、左の明るい星は、星によって標準偏差に違いがあり測光には向きません。適当に精度よく測光できるところに変光星や比較星を持っていくのが、先ほどの勘と経験です。帯状の分布から外れている星が変光星、または、変光が疑われる星です。
どこまで正しく理解できているかわかりませんが、測光には、まだ、いろいろな課題があったり、テクニック、知識が必要だったりで、終わりがありません。
ということで、カラー画像とモノクロ画像で違いが少しあるのですが、購入する機材と望遠鏡の組み合わせで、変光星の測光は可能と思います。画像の形式ですが、私は.ftsを使っています。他の形式の画像でも測光ソフトは動くようですが、使ったことがないので、なんともいえません。
私は詳しいことを知らないで冷却CCDを使っていますから、的はずれかもしれません。
変光星でも何でも同じと思いますが、どんな観測をするのかで機材を選びますから、今回は、購入するに機材でできる観測はどんな感じかなという方向でしょうか。
激変星の増光をいち早く捕らえるのであれば、一眼デジカメと画像をチェックする強力なソフトがあれば(赤道儀などの精度や自動化も必要とおもいますが)できるようです。
測光となると、いろいろと条件があります。
まず、カラーのカメラ、撮像素子の3つのピクセルが1つの組になってそれぞれにR,G,Bのフィルターがかかって撮像するので、フィルターの特性が、そもそも測光用と違いますから、厳密には国際的な標準のデータを使っての比較測光ができません。一眼デジカメなどから取り出したG画像から国際標準のV等級のデータを使って測光した値には、cGという記号をつけて区別することになっています。それでも、光度曲線を見る限りV等級のデータと大きく変わらないようです。
とはいうものの、撮像素子の分光特性も素子によって多少違いがあるので、それほど厳密なものではないようです。観測する星の明るさの振る舞いがわかればいいので、むしろ、撮影時や測光時の測定誤差をいかに少なくするかが大切みたいです。
カラーのカメラは3つのピクセルを1つの画素にするので解像度が落ちると天体写真の世界では言われるようですが、最近は画素数も多くなっているので、観測的には、問題ないと私は思います。むしろ、画像が重くなって転送や測光処理にそれなりのマシンスペックが必要になると思います。C-MOSは、CCDに比べて転送速度も転送時のノイズも小さいかもしれません。
ダイナミックレンジというか、銀塩フィルムでいうところのラチチュードが大きくないと測光の精度に関わります。一眼デジカメや冷却CMOSカメラは、どのくらいなんでしょうか。おそらく14ビットかもしれません。私の冷却CCDは古いですが、16ビットあります。たかだか2ビットの差ですが、4倍、測光では影響が出てくると思います。
ピクセルの大きさはため込む電荷の量や入ってくる光の量に関わるので、大きい方が感度いいし、飽和もしづらく階調も広くとれるでしょうか。解像度はやや落ちるのでしょうか、天体写真的なことはよくわかっていません。
ブルーミング(飽和)の問題、冷却カメラの仕様書には最近書かれていないことが多いです。撮像素子の最も大きな特徴は、直線的に電荷と光量の関係があることだと思います。強い光が当たれば、当然あふれ出しますが、本来はその状態を飽和と呼んでいましたが、今は、直線性を崩して、あふれ出ることを止めています。天体写真ではきれいに写っていいのですが、電荷を捨てる作業(画素にゲートを作って光を入れないようにしているのかな)をしています。直線性を崩すというのは、測光には致命的です。SOHOの画像で太陽のバックにある明るい星が飽和して横に電荷が流れ出ていたり、すばる望遠鏡の画像もそんなものがあったりします。あれはあれで、写っているものすべてが直線的に光量と比例している証拠です。
そんなこと言っていたら、NABG(ノンアンチブルーミング)以外のほとんどの素子が測光には不向きになってしまいます。そういう私の冷却CCDもブルーミング(飽和)を押さえる働きをします。
じゃあ、どうするかというと、電荷を捨て始める手前までを使っています。具体的には、機材にあった明るさの星を観測するとか、明るい星を観測する時は、ピントをぼかして1つの画素に入る光を分散させるとか、露光時間を調節するとか飽和させないような工夫をします。実際には勘と経験です。
でもそんなことして、いい加減なデータを報告すると叱られるので、測光の時に以下のようなことをしてどの程度の精度で測光できているのか調べておきます。

図は、測光で使うソフトの画面のひとつですが、左上のグラフ、画像に写っている星のほぼすべてがプロットされています。横軸は星の明るさ、縦軸は、測光値の標準偏差です。標準偏差が小さいところで測光している限り問題はありません。右側は暗い星で標準偏差は大きいですが、どの星も同じように標準編が大きいので、つまりばらつきは大きいけれど、平均値をとるとそれなりの光度曲線ができます。ところが、左の明るい星は、星によって標準偏差に違いがあり測光には向きません。適当に精度よく測光できるところに変光星や比較星を持っていくのが、先ほどの勘と経験です。帯状の分布から外れている星が変光星、または、変光が疑われる星です。
どこまで正しく理解できているかわかりませんが、測光には、まだ、いろいろな課題があったり、テクニック、知識が必要だったりで、終わりがありません。
ということで、カラー画像とモノクロ画像で違いが少しあるのですが、購入する機材と望遠鏡の組み合わせで、変光星の測光は可能と思います。画像の形式ですが、私は.ftsを使っています。他の形式の画像でも測光ソフトは動くようですが、使ったことがないので、なんともいえません。
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久保寺克明