デイスターフィルターについて

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sano

なし デイスターフィルターについて

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前の投稿 - 次の投稿 | 親投稿 - 子投稿.1 | 投稿日時 2007/4/2 22:46
sano  長老   投稿数: 2785
LCKAMさん、こんにちは。

すばらしい機材をお持ちで、コロナドフィルターも使っているとのことですので、
デイスターも基本的なことはご承知のことと思い使っていて気が付いたことなど
書きます。

デイスターに限らずコロナドもそうですが、太陽観測用の超狭帯域フィルター
共通の約束事として「光線入射角がフィルター面に対して直角である」ことが
あります。
コロナドは対物レンズ前面に付くので、この事は気にしなくていいのですが、
デイスターの場合は焦点近くにフィルターが来るのでこの角度が問題になります。
条件としてF値をF=30程度より大きくとることがあります。

普通の屈折望遠鏡でF=30とするには
・相当長い鏡筒を用意する
・口径を絞る
・テレセントリック系バローレンズを使う
などの方法があります。

しかし、
・長い鏡筒を用意する →機材が大きくなり取り回しが悪い
・口径を絞る     →解像力の低下
などの欠点が出てきます。

「テレセントリック系パローレンズ」とは、光線入射角を平行に補正すると
同時に焦点距離を伸ばす専用補正レンズです。
普通のバローでは、光線が平行にならないのでデイスターには使えません。

ただし、これを使った場合、光線が平行になる関係でアイピースを覗いた時に
アイポイントが限られるので、そのポイントを外すとブラックアウトしてしまい、
見るのにちょっとコツがいります。
慣れれば何てことないのですが。

どれを方法を選ぶか、妥協点をどうするかは観察者の判断でしょう。
私は、テレセントリック2倍バローを使ってF=15の鏡筒をあてています。


デイスターの特徴として、望遠鏡の口径は決定されないので機材の大型化を
いとわなければ同じデイスターフィルターを大きな口径に付けることも出来ます。

ただ、これはやってみてわかったことですが、口径5cmを7cmにしたからといって、
劇的に解像力が上がるということは無いように思いました。

また、10cmクラスとなると夏場にオーバーヒート気味になりますので注意です。
最新型の上級機にはペルチェ素子による冷却装置が付いているのもあるようです。

すでにコロナドで観察をされているとのことですので経験済みのことと思いますが、
太陽面Hα観察の場合、シーイングの影響がとても大きいと思っています。

ちなみに、Hα観察の場合は超狭帯域で色収差の影響も無いので、アクロマートで
十分ですね。
それから、デイスターでは対物レンズ前にはエネルギー減衰用のフィルターを忘れずに。


デイスターは、以前の製品には大きく分けて
「ティルトスキャン」と「サーモレギュレーション」のタイプがあります。
超狭帯域フィルターは、僅かな温度変化により、透過バンド中心値がずれるので
その対策方法です。

ティルトスキャンは、これをフィルターを傾けることによって修正し、
サーモレギュレーションは、温度管理をすることによって防いでいます。
最近のものは、ほとんどサーモタイプになってしまったようですが、これは100V〜の
電源を必要とするので、手軽に扱えるティルトスキャンも捨てがたいです。

もし会でお持ちの機材が、ティルトスキャンでしたらフィルターの微妙な傾きに
よって見え方が変わりますので、覗きながら調整します。

また、ピントもずれますのでこまめにチェックしたほうが良いでしょう。

いずれにしても、フィルターが一定の温度にあがるまでは見えませんので、
セッティングしたら少し待ちます。
ティルトの場合は、太陽を導入ししばらくすると温度が上がってきます。

他にはこれといった気を使うことはありません。

私は両者を並べて見たことは無く、「光学的にはコロナドの方が良く見えるかなあ」
と思っていますが、観望会などでコロナドを見ての感想としては、残念ながら先ず
シーイングの影響が大きくて、機材の比較以前の問題でした。

デイスターのシステムは、どうしても望遠鏡が長くなり、それに伴い赤道儀も
大きめのものとなるので、コンパクトにまとまったソーラーマックス鏡筒や
PSTは手軽そうで、余裕があったら手に入れたい機材です。

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